要性のない除菌消臭スプレー

お客様から、「『ファブリーズ』は問題ないんですか」という質問をよく受ける。プロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト・インク(P&G)が発売した消臭剤で、「トウモロコシ生まれの消臭成分配合」を売り物にしている。除菌効果をうたった「ファブリーズ除菌プラス」も新発売された。

 「ファブリーズ」の説明書には、「布製品にしみついたイヤなニオイを元から取り除く」とある。
スーツやコート、カーテン、カーペット、マットなどに、20〜30p離して、表面が全体的に少し
湿り気を帯びる程度にスプレーすると、臭いが取れるのだという。

成分は、トウモロコシ由来消臭成分、除菌成分(有機系)、香料となっている。「除菌プラス」は、トウモロコシ由来消臭成分、除菌成分(有機系)である。

 しかし、具体的に何が使われているのか表示されていない。そこで、P&Gのお客様相談室に聞いてみた。ところが、具体的な物質名については、「社外秘なので教えられない」とのこと。
消費者への情報公開は、まだまだ遅れているようだ。
次に、広報担当者に問い合わせると、成分を解説した文書がファクスされてきた。

『トウモロコシ由来の消臭成分と環状糖類(サイクロデキストリン)のことです。これはトウモロコシのでん粉を出発原料とする包接化合物で、そのドーナツ状の構造特性から、その空洞分にニオイの分子を包接することにより消臭に高い効果を発揮します』

デキストリンは、食品としても利用されているもので、安全性は高いといえよう。しかしそれが分解されて、逆に臭いのもとになることはないのだろうか。

『除菌プラスの除菌成分は、第四級アンモニウム塩系の成分です。当社ではこの成分のグループをQUATと呼んでいます。一般に同タイプの除菌成分の安全性は広く認められており、化粧品や薬用石鹸などに使用されております。社では、米国の環境保護局(EPA)の基準に照らしあわせて、菌を接種した試験布に、『ファブリーズ除菌プラス』を表示の使用法に沿った使い方で噴霧し、試験布上に存在する菌数の変化から、除菌効果を確認しています』

 第四級アンモニウム塩は、抗菌・防カビ製品にも使われ、最近の増殖を抑える作用
がある。いわば毒性物質であり、皮膚などへの影響が心配される。

『当社において、製品の安全性を確認する際には、皮膚刺激性、皮膚感作性、吸入時の安全性、また誤使用時における安全性(眼刺激性、誤飲時の安全性等)などのほか、発がん性や
遺伝毒性(例:催奇形性、変異原性)および慢性毒性、亜急性毒性などの長期使用時の影響についても含め、通常製品が使用される状況において考えうる全ての関連項目について検討を行っています』

 しかし、細菌を殺したり、増殖を抑える作用のある化学物質が、赤ちゃんも含めた人間に、
何の影響ももたらさないということは、あり得ないように思う。

 こうした商品が発売される背景には、異常とも思える清潔ブームがある。少しでも部屋や車の中、体が臭うと嫌悪する風潮だ。しかし、「臭う」というのは自然の現象なのだ。人間の汗には、脂肪酸やアンモニアなどが含まれる。それらが微生物によって分解され、臭いとなる。

臭いのもとを断たずに、安易に化学物質で押さえ込もうという発想は間違っている通常に洗濯したり掃除をしたりすれば、一定の清潔さは保たれるはずだ。

これらの消臭製品は安全性の問題以前に、必要性がない。安易に使用すると、化学物質に対する耐性菌を生み出してしまうという問題もある。

情報提供:渡辺雄二氏(週間金曜日)

私が知っている限りでは、殆どの消臭剤、香料は化学物質で出来ている。殆どと言うよりすべてといった方が良いかもしれません。喘息や花粉症などのアレルギーを持った人には、化学物質を含んだ商品は避けるべきものであると思う。

メーカー側が言うように本当に『発がん性や遺伝毒性(例:催奇形性、変異原性)および慢性毒性、亜急性毒性などの長期使用時の影響についても含め、通常製品が使用される状況において考えうる全ての関連項目について検討を行っています』ということが信用できるのであろうか?
遺伝子レベルの調査が短い期間で出来るのであろうか?よく考えると疑問を感じずにはいられない。


臭いのもとを断たずに、安易に化学物質で押さえ込もうという発想は間違っている

石けんと合成洗剤ってどう区別するのかも良くわからないわ、という方も案外いらっしゃるんじゃないでしょうか。それはパッケージを裏返して成分のところを見るとすぐにわかります。
石けんの成分は、「純石けん分・脂肪酸ナトリウム(または脂肪酸カリウム)」 これだけです。
合成洗剤の成分は、「界面活性剤・ポリオキシエキレンアルキルエテール・ 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム・パラペン・・・・」などなど舌をかみそうなカタカナがたくさん並びます。
あなたが「石けん」だと思っていたお風呂場にある白いかたまりも、この成分表示を見ると、実は合成洗剤かもしれません。石けんは動植物のあぶら(油脂)に苛性ソーダ(強アルカリの物質)を合わせ、 加熱してできます。それに対して合成洗剤は科学的な処理によって作られます。
天然原料(ヤシ油など)を使っていても、苛性ソーダ(もしくは苛性カリウム)を使わずにできるものは合成洗剤と言ってほぼ間違いありません。